フォローする
【脳科学専門ネット図書館】会員募集〜ワンコインで世界中の脳科学文献を日本語要約〜

マインドワンダリングとは何か?

マインドワンダリングという言葉があります。

これは文字通りマインド(思考)がワンダリング(ぐるぐる回る)するということで、黙っていてもあれこれ思考が頭のなかを駆け巡るということです。

目を閉じて1分も黙っていれば分かるのですが、このマインドワンダリングを止めるのは容易ではありません。頭というのはほっておいても次から次へといろんなことを考えて止むことがありません。本を読んでいても、配偶者の話を聞いていても今ひとつ集中できない、上の空になってしまうというのはこのマインドワンダリングが関係しているのではないかと思います。

こういった自発的な思考にはやはり脳の内側面領域のデフォルトモードネットワークが大いに関係しているようです。

黙っていてもグツグツ活動し、外界の情報を収集しては常に動き出せる体制を作っておくのに働いているあの領域です。

今日取り上げる論文はこのデフォルトモードネットワークについて調べたものですが、いろんな課題を難易度を変えて行わせ、それに伴うデフォルトモードネットワークの活動量の変化を調べたものです。

結果、やはり課題が難しくなるにつれデフォルトモードネットワークの活動量も低下し、課題に関連して自発的な思考も抑制されるのではないかということが述べられています。

 

今回課題を行うにあたって現れる脳活動の課題惹起性活動低下(TID)について調査を行った。実験では聴覚を介した7通りの課題について3つの条件(課題の弁別性、刺激提示頻度、短期記憶負荷量)を3通りの難易度で行わせ、それに関連する脳活動について調べた。結果、課題に応じて主に7領域に活動性の低下が認められた。それは左前帯状皮質/上側頭回、左中前頭回、右前帯状皮質、両校帯状回、左後前頭後頭葉、右楔前部であった。またこれらの領域の変化は先の3条件の課題難易度に応じたものであった。短期記憶と関連した活動低下は自発的な思考の抑制を示唆し、他の変化も意味処理に関わるものであった。これらの結果から課題に関連した脳活動の低下は情報処理過程の割り振りに変化を示すものであることが示唆された。

参考URL:A parametric manipulation of factors affecting task-induced deactivation in functional neuroimaging.

コメント

つまりデフォルトモードネットワークと課題遂行システムというのはシーソーゲームになっているということだろうか。

ウツウツているとあれこれネガティブな思考が次から次へとやってきて大変だけれども

何か仕事していれば、それなりに気が散るというかデフォルトモードネットワークの活動を抑制できたりする。

ウツウツ状態とデフォルトモードネットワークって何か関係するんだろうか。

また調べてみたいと思います。

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします