「心の理論-その進化と個体的発生、脳のメカニズム、精神病理学について」
心を読むだとか空気を読むだという言葉がありますが、ヒトが進化の果てに獲得した能力の一つとして人の心を読むというものがあります。
しかしながらこの人の心を読むという能力の獲得というのはいったいどんな種類の進化なのでしょうか。
嘘か本当か分かりませんが一般に生き物は他の動物との生存競争の中で進化を遂げていくと言われています。
ダンゴムシはその身を守るためにまんまるになるという技を身につけ、うさぎはライオンから逃げるためにあんなにゴツイ後ろ足を獲得したかもしれません。
しかしながら我々人間は何と戦ってこの「心を読む」という能力を身につけたのでしょうか。
この心を読むという能力は心理学で「心の理論」とも呼ばれているのですが、今日取り上げる論文によるとこの「心の理論」はヒトがその社会の中でサバイバルする中で獲得したのではないかということが述べられています。
つまりヒトにとって一番怖いのはライオンでもなくクマでもなく同じ仲間であるニンゲンで、いろんなヒトが社会の中で生き抜こうとする中で相手の心を読むことができる個体が生存競争を勝ち抜き、それゆえこの「心を読む」能力を進化させていったのではないかということが述べられています。
つまり「ヒトがヒトを進化させた」ということで他の能力の獲得とは進化論的に考えてちょっとちがっているんではないかということが述べられています。
ポイント
・他者の心や感情を推察する能力は「心の理論」と呼ばれている。この能力の起源はヒト以前の霊長類に遡れる。
・この「心の理論」は複雑化していった社会の中で生き抜くために進化したと言われているが、この高度なメタ認知能力はその複雑さゆえ精神病理を生み出す原因ともなった。
・近年の研究からは自閉症スペクトラム障害、統合失調症や躁うつ病、サイコパスの精神状態にもこの「心の理論」の障害であると広い意味で捉えられうることが示されている。
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コメント
なんだかあんまり分かりやすくていまいち信じる気になれない(-_-;)
リハビリの仕事をしていて妊婦さんや老人などで膝や腰が痛い人を見るにつけ、そもそも二本足歩行は不合理だと思ったり
そもそも何かの間違いで四本足を使えなくなったのだけれども、それはそれで問題がないので二本足でそのまま来てしまったのが本当のところじゃないかと思ったり
それは会社の使えない制度や仕組みだったりいろいろだけど、たまたまやってみてとりあえず悪くはないのでそのまま残っているというのが進化の実態なんじゃないかと思ったりもします。
別に心の理論や進化論に悪意を持っているわけではないのですが、わかりやすい説明というのはかえって腑に落ちないこともあり
単にひねくれているだけかもしれませんが・・・(-_-;)