
「EEGLAB,SIFT,NFT,BCILAB,そしてERICA:先進的な脳波処理」
今まで何度か取り上げてきたように脳というのはいろんな部分がつながってできているのですが、このつながりというのは大きく見ると3つのつながりとして考えることができるそうです。
一つは解剖学的連結と呼ばれるもので、これは実際に顕微鏡か何かで覗いてみてこの部分とこの部分が神経線維で繋がれている、そういったことを示すようなつながりのことを解剖学的連結と呼ぶそうです。
もう一つは機能的連結と呼ばれるもので、何かの機能、これは例えばものを見たり、考え事をしたり、何かを思い出したりということをするときに一緒に活動するような部分同士のつながりです。
サッカーで言えばなにか攻撃に入る時このポジションとあのポジションとあのポジションが協調して攻めていくというのがあるかもしれませんが、こういったある種のタスクに関係して協調して働くようなつながりを機能的ネットワークといいます。
もう一つは実効的連結と呼ばれるもので、これは脳のつながりがどんなふうな流れで繋がれているかを示すものです。
サッカーだったら攻めに上がるときにどういったポジションの人たちがどういった順序でボールを受渡しているか、そこまでを示したものです。
従来脳波データからこの実効的連結を描出することは難しかったそうですが、今日取り上げる論文は近年開発された脳波データをもとに実効的連結を示す方法について概説されたものです。
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ポイント
本稿ではSwartz Center for Computational Neuroscienceで開発されたEEGデータを解析する新たなシステムについて説明を行う。
このシステムは様々なソフトから構成されているが
(1)複数被験者の柔軟なデータ処理を可能にするEEGLAB STUDY design、
(2)脳活動モデルを構成するneuroelectromagnetic forward head modeling toolbox (NFT)、
(3)effective connectivityを3次元的に描出するsource information flow toolbox (SIFT)、
(4)ブレイン-コンピューターインターフェイスを可能にするBCILAB toolbox、
(5)様々な条件間でのリアルタイム処理を可能にするexperimental real-time interactive control and analysis (ERICA)
などのシステムによって構成されており、これらの説明を行う。
参考URL:
EEGLAB, SIFT, NFT, BCILAB, and ERICA: new tools for advanced EEG processing.
補足コメント
この他にもブレインマシンインターフェースへの応用やリアルタイムでの情報の流れの処理などいろんな機能が搭載されているそうです。
善意で構成されているフリーソフトというのがまたすごいなあと思いました(´・ω・`)