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「機能的連関性と実効的連関性:その概観」

脳というのはしばしばネットワークシステムに例えられますが、はたして脳のつながりを知るためにはどんな方法があるのでしょうか。

一つは顕微鏡で覗いていみることでしょう。この神経細胞とこの神経細胞がつながっている、あるいはこの領域とこの領域が太い連絡繊維で繋がれている、こういったことが実際に解剖して顕微鏡で覗いて分かったらこういった神経細胞同士、領域同士というのはつながっているということが分かるでしょう 。
E
|
AーBーCーD
|
F

こんな感じでつながっているのが分かるかもしれない。

でも脳の働きを知るためにはこれだけでは不十分で、例えばこれはこれで領域同士がつながっているけれど、何かを見るときにだけつるむようなつながりがあるかもしれない。

それでいけば何かを見ている時というのは脳のつながりの中でも上記の図の中の

E
|
AーBーC

のところだけがつるんで活動しているかもしれない。

じゃあこれで脳の仕組みがわかったといえばそんなことはなくつるんでいる物同士、どういった順序で情報が流れているかも知らなけれないけない。

E

A→B←C

これをみるとAとCの情報がBに流れて最終的にEに流れるということがわかると思います。

ではこれで十分かというとそんなことななく、脳というのは頭蓋骨の中に閉じ込められた閉じた組織なのでやりっ放し、打ちっぱなしというわけにはいかない。因果応報、送った情報はいずれ自分に戻ってくる。

そう考えると上記の流れだけでは説明は十分でなく

E→→
↑ ↓
A→B←C

というふうになっているかもしれないし、さらには

E→→
↑ ↓
A⇆B⇆C

となっているかもしれない。

今日取り上げる論文では上記の様々なつながりについて調べる方法について詳しく紹介されています。

ポイント

過去二十年以上にわたって神経画像研究は神経科学の主流の研究方法で在り続けた。脳の機能的な構造や根本原理を知るための方法として次の二十年は脳の分散処理や連結性について知ることが重要になってくると思われる。

本稿では現在まで発表された機能的連結、因果モデリング、神経回路地図、脳反応の分散パターンにおける多変量解析について述べる。

参考URL: Functional and effective connectivity: a review.

 

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