
ASMRとは?
私達の脳は色んな情報を色々拾っていろんなリアクションが引き起こされますが、
音によってゾワゾワする感覚というのがあると思います。
一番イヤなものだと、黒板をチョークでひっかく音だと思うのですが、
いい感じのものだと、川のせせらぎや耳かきの音、ちょっとアブノーマルな感じもしますがピチャピチャアイスクリームを舐めているものまで、いろいろで
私達の身体は音に対してゾワゾワヒリヒリする感じを受けることがあります。
こういった現象を利用して、音と映像による刺激を通じて痛みの軽減や睡眠導入、あるいは単にダウナー系のドラッグの変わりのようなものとして
インターネット上で様々な音声付きの動画が作られています(ちなみに以下は耳かきの音)。
このような動画から得られる反応は、Autonomous Sensory Meridian Response(ASMR:自律感覚絶頂反応)と呼ばれ大手も参入するサービスになりつつあるということですが、
はたしてこのような音刺激でゾクゾクしているときの脳活動とはどのようなものなのでしょうか。
今回取り上げる論文は、このASMR刺激を与えているときの脳活動について調べたものです。
この研究では被験者28名(男性13名、平均年齢26.39歳)を対象に、何もしないでヘッドフォンをかぶっているだけの安静時と、ASMR刺激を与えているときの脳活動について、その脳の中のネットワークの変化について調べたものです。
結果を述べると、脳の中でもデフォルトモードネットワークと呼ばれる領域のつながりが強くなり、
気分の変化を見るとダウナー系の快感が得られること、
さらに視覚情報を処理する活動が、ダウナー系の快感につながっていることが示唆されています。
デフォルトモードネットワークというのは、体の中に気持ちを向けたり、ココロの中に気持ちを向けたりする時に活動するネットワークですが、ASMRによって、このデフォルトモードの繋がりが強くなるということで、
音と画像のダブル刺激で、デフォルトモードワークが賦活され、痛みの軽減や睡眠導入につながるのかなと思いました。
参考文献