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臨床現場での祈りの実際とその効用

困った時の神頼みという言葉もありますが、私達の多くは人生のどこかの場面で祈らずにはいられない場面に立ち会います。

しかしながら、この祈りというのは本当に効果があるのでしょうか。

今回取り上げる論文は、祈りの臨床上の実際について取りまとめたものになります。

Prayer in Clinical Practice: What Does Evidence Support?

祈りを捧げる人の特徴

この論文が紹介するいくつかの研究によると、祈りを捧げる人の特徴としては、

・アメリカ人のおよそ8割が週に一回は定期的に祈りを捧げている。

・35%の人が健康について祈り、22%の人が特定の病気のことで祈り、69%が祈りが役立ったと感じている。

・祈りを捧げている人は、喫煙と飲酒が有意に少なく、インフルエンザの予防接種、野菜の摂取、ケアに対する満足度、および社会的支 援が多い。

ということが示されているようです。

では実際のところ、臨床的に祈りは効果があるのでしょうか。

祈りの臨床効果

祈りには、直接関係のない意図のために祈るような祈り( distance intercessory prayer (DIP))と身近な人のために直接祈る祈り(proximal intercessory prayer (PIP))があるそうです。

そのそれぞれの研究については

・モザンビークの農村部の被験者を対象に多なった研究では、PIPによって聴覚機能と視覚機能に有意な改善が見られた。

・英国の合計7807名を対象にした10件の無作為化比較試験の結果を検討したメタアナリシスでは、疾患からの回復や死亡率に祈りの効果は認められなかった。

・オーストラリアで癌患者を対象に行われた盲検試験(具体的にどちらのグループが祈られたかを実験者と祈祷者も知らせられない条件)では、祈りの対象となったグループが、より高い精神的な幸福感を示した。

などの報告があるようです。

臨床効果だけで考えれば、薬物療法や外科療法のほうがはるかに効果が高いことは明らかとは思いますが、

祈りというのは、少なくとも否定的に扱われる必要はないのかなと思いました。

【参考文献】

Kim-Godwin Y. Prayer in Clinical Practice: what does evidence support? J Christ Nurs. 2013 Oct-Dec;30(4):208-15; quiz 216-7. doi: 10.1097/cnj.0b013e31826c2219. PMID: 24282877.

【要旨】

韓国生まれの米国の看護教育者は、韓国の臨床現場での祈りについての見解を共有し、米国でどのような適切で倫理的な祈りの実践が必要かについて考察します。健康と看護実践のための祈りに関する研究のレビューが示され、臨床現場での患者との祈りのためのエビデンスに基づく提案がなされます。

 

 

 

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