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祈りに関連する脳波の検出

人間はなにかということを考えると、言葉を話したり、歌ったり、踊ったりがあるのですが、これらをすべて混ぜ合わせたものとして「祈り」というものがあります。

この祈りというのは古今東西、Amazonの密林からアメリカの摩天楼まで、普遍的に見られるようなヒトの営みですが、

果たして祈りに関連した脳活動を検出することは可能なのでしょうか。

今回取り上げる論文は、イスラム教徒の”Salat”と呼ばれる祈りに関連した脳波について調べたものです。

脳波には、その周波数の違いにより、α波やβ波、γ波など様々なものがあるのですが、

認知機能との関連が強いと言われるα波の強さ(パワー値)を指標にして祈りに関連した脳波を検出できないか調べたものになります。

この研究では、祈りに関連した他の生理学的指標、具体的には心拍変動や、心拍数、呼吸数を参考にして、その検出方法を調べています。

結果を述べると、あるアルゴリズムに沿って機械学習を行うことで、90%以上の精度で頭頂部と後頭部の脳波から

祈りに関連した活動を検出できることが示されています。

この研究は研究で興味深いのですが、果たしてヒトは祈っている時に、その意識はいったい何を志向しているのかと考えると、

また祈りというのは、普遍的でありながら不可思議な行為だなと思いました。

【参考文献】

Doufesh, H. and Ibrahim, F. and Ismail, N.A. and Wan Ahmad, W.A. (2016) Adaptive neuro-fuzzy inference system for predicting alpha band power of EEG during muslim prayer (SALAT). Biomedical Engineering: Applications, Basis and Communications, 28 (06). p. 1650043. ISSN 1016-2372

【要旨】

脳波(EEG)信号の特徴には、脳の機能に関する重要な情報が含まれています。最も一般的なEEGシグナルの特徴の1つはα波であり、これは弛緩または精神的不活動を示している。これまで、これらの信号の分析および特徴抽出手順は十分に開発されていなかった。本研究は、ムスリム祈り(Salat)中のEEG信号のαパワーバンドを抽出し予測するための適応神経ファジィ推論システム(ANFIS)に基づく新しいアプローチを提示した。提案したモデルは、心拍変動(HRV)成分、心拍数(HR)および呼吸数(RSP)のような他の生理学的パラメータから、サラート中のアルファパワー変動に関連する情報を得ることができる。モデルは、初期ANFISモデルパラメータを系統的に最適化することによって開発された。受信者動作特性(ROC)曲線を最適化ANFISモデルの性能を評価するために実施した。提案したモデルの全体的な予測精度は、O1,O2,P3およびP4における電極位置のαパワーに対して、それぞれ94.39%,92.89%,93.62%および94.31%で達成した。これらのモデルは、e±ciency、精度、および単純さを含む多くの利点を示した。従って、ANFISは、複雑で非線形な予測問題に対処するための適切なツールと考えることができる。

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