ミラーニューロンと自閉症
今日取り上げる論文はミラーニューロンシステムと社会的知能の関係について述べたものです。
社会的知能というのは相手の感情を読んだり、空気を読んだり、その場にふさわしい態度をとれたり、いわゆる「あの人、クレバーな人だよね」で使われるような頭の良さ賢さだと思うのですが、こういった社会的知能というものにミラーニューロンシステムが関係しているのではないかということが述べられています。
【要旨】
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「ヒトは他者を感じる時とモノを感じる時では異なる心理機構を用いている。その違いとは、ヒトが他者を感じる時には「まるでわたしのようだ」という感覚を持った視点での認識が伴っていることである。これはすなわち他者の動きや考え、感情といったものを理解するのに、自分が動いたり、自分が考えたり、自分が感じたりするのと同じシステムを用いているということである。我々は認識や模倣、心の理論、共感、言語の発達にはミラーニューロンシステムのような心の中でシミュレーションを行う機構が必要なのではないかと考えている。加えて自閉症スペクトラム障害に見られる社会性やコミュニケーション能力が不足しているのはこのシミュレーション機構が十分に働かないためではないかと考える。」
