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「社会脳」とはいうものの、脳のどの領域をもってそういうのかというのかはいろんな変遷があるようです。

社会脳の定義もその関連領域も時代とともに移り変わっていているようですが、この論文では以下のように示されています。

この図がわかりやすいです。

上図URL:http://dericbownds.net/uploaded_images/socialbrainanat.png

いろいろあるのですが、ざっくり分けると

ミラーニューロン関連領域:

下前頭回(IFG)上側頭溝後部(pSTS)側頭頭頂接合部(TPJ)頭頂間溝(IPS)

情動関連領域:

前部島皮質(AI)扁桃体(Amygdala)前帯状皮質(ACC)

前頭前野:内側前頭前野(mPFC)

のくくりで分けられるのかなと思います。

こういった領域が社会脳、つまり相手の心や意図を理解することにかかわるそうですが、今日取り上げる論文は思春期におけるこの領域の機能的、構造的変化について述べたものです。

思春期はこの社会脳の働きが大きく変わる時期だそうですが、思春期まで増える一方だったこの領域のシナプスは、この時期を境にして不要なシナプスの刈り込みが行われ、より効率的な社会脳システムが構築されることが示されています。



「他者の心を理解する脳のネットワークとして“社会脳”という言葉が使われる。社会的認知に関わる行動は思春期に大きな変化を迎える。このことは同時期に起こる社会脳の機能的変化と関連している。とりわけ内側前頭前野と上側頭溝の活動が変化し、顔認識や精神状態に関わる働きに変化が見られるようになる。また解剖学的所見においても思春期にはこれらの領域のいてシナプス刈りこみ現象による構造的な変化が見られることが示されている。近年急速に研究が進んでいる社会神経科学と思春期における神経発達の知見を合わせることで、思春期における社会脳の発達についての多くの理解が促されると考える。」

参考URL:The social brain in adolescence.

コメント

仕事でスポーツで怪我をした高校生アスリートなんかともお話をすることがあるのだけれども

スポーツがとりわけできる、とりわけ秀でた高校生というのはどこか大人びていて

こういうのはスポーツと関連して働くミラーニューロンシステムか何かの発達にともなって、いわゆる社会脳といわれるシステムも同時の底上げされるせいかなと思いました。

いつものことで全く根拠はないのですが(-_-;)

なにがよいのか分かりませんが、その人のその人らしい発達があれば、それはそれでよいのかなと思います。

ふと書いて思ったのですが、発達という言葉にしても、進化という言葉にしても、なんだかバイアスのある言葉だなと思いました。

あるのは変化だけで、発達とか進化と見る見方は人間の偏った見方なのかなと。

宇宙が発達しているとか、遺伝子が成長したとかはいわず、そこにはただただ変化があるだけで

リハビリテーション ヒトがヒトのことを述べるというのはなかなか難しいことなのだろうなと思います。

 

 

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