
アフォーダンスとはなにか?
アフォーダンスという言葉があります。
ペットボトルを見れば手で掴みたくなるし、コーヒーカップを見れば取手を指を引っ掛けたくなるし、ピーナッツを見れば指でつまみ上げたくなる。
ある対象物が、それを見ている人の特定の動作(つかむ、引っ掛ける、つまむなど)を引き出すような性質をアフォーダンスというらしいのですが、これはどうしてこんなことが成り立つのでしょう。
この論文によると、対象物を何かしらの意味合いのある「道具」として認識できるようなそんなネットワークが脳の中にあるようです。
目の前の対象物というのは、自分の手で扱える、いわゆる「道具」的なものから、自分の手では扱えない高層ビルや富士山といった非「道具」的なものまで色いろあると思うのですが、
目の前の対象物を「道具」と認識するネットワークとして
①左紡錘状回内側部
②左中側頭回
③左下部頭頂葉
の3つから構成されるものが、この論文の中で仮説的に提示されています。
これをもう少し詳しく書くと
(扁桃体・海馬・海馬傍回(情動・記憶情報))
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左紡錘状回内側部(左の側頭葉の下側のあたり)
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左中側頭回(後頭葉→側頭葉に流れる腹側視覚経路(※1)の終わりの方の部位。対象の意味情報に関わる経路:別名what経路)
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左頭頂葉下部(後頭葉→頭頂葉に流れる背側視覚経路の終わりの方の部位。対象の空間情報に関わる経路:別名where経路)
からなっているそうです。
what回路だけでも、where経路だけでも目の前の対象物をいわゆる「道具」(自分で操作可能な物品)として扱う事はできない。二つの経路を結ぶ上記のネットワークがあるので、対象物を意味のある物品として操作できるのではないかということが述べられています。
※1腹側経路と背側経路の概念図
参考URL:Action-related properties shape object representations in the ventral stream.