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ミラーニューロンの発見

今日取り上げる論文はミラーニューロンの発見に至ったサルを使用した実験と、その結果、考察について述べたものです。

ミラーニューロンというのは、ある特定の動作(握る、つまむ、置く)を見ている時も、自分の身体で実際の行っている時も等しく活動するような神経細胞なのですが、

これがサルの腹側運動前野(F5領域)でみられること、

またこの相同部位がヒトにおけるブローカ野になるので、

これが音声による感情表現のもと(シーッという音を出して静かにしてを意味したりするような音声ジェスチャー)になっているのではないかということが述べられています。



【要旨】

「今回二匹のマカクザルを対象に、F5領域にある532個の神経細胞の活動を測定した。先行研究から、この部位の神経細胞は目的を伴った手や口の運動に伴って活動することが知られている。今回この領域において、ある特定の動作を見ている時も、それと同じ動作を行っている時も等しく活動する一群の神経細胞(”ミラーニューロン” n=92)があることが認められた。またこのミラーニューロンは物品を見ているだけの時や、人物を見ているだけの時では活動しなかった。またこれらの神経細胞は手や口の運動に対して非常に強い反応を示していた。これらのミラーニューロンを最も強く反応させたのは握る、操作する、置くといった動作であった。多くのミラーニューロンにおいて(92%)、ある動作を行った時の活動と、同じ動作を見た時の活動の間には関連が見られ、約30%においてはより密接な関連が認められた。これらのことからミラーニューロンは視覚情報と運動機能を照合させる役割があると考える。また、このミラーニューロンが動作理解に関わること、そしてこのサルのF5領域の相同部位がヒトにおいてのブローカ野であることから、この部位が動作の理解のみならず、音声による感情表現にも関わっているのではないかということを仮説的に検討する。」

参考URL:Action recognition in the premotor cortex.

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