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「頭頂葉損傷後の手の動きの精神的表象」

私達は朝起きてから夜寝るまでいろいろなアクションを行います。

目が覚めてのびをする、布団をはねのけて起き上がる、朝ごはんを前にしていただきますと両手を合わせる、駅へ向かって自転車を走らせるなどなどいろいろありますが、このアクションというのは脳の中でどんなふうに処理されるのでしょうか。

以前取り上げた論文で紹介した下のややこしい模式図でもないのですが

何か運動するにあたって働くのは筋肉やそれにつながる脳の中の運動野だけでなく、小脳や基底核、頭頂葉、さらには身体を離れて外部環境といったものも関係してくるようです。

つまりは運動というのは筋肉や運動神経だけでなく全脳的+αな要素からなっているものだと思うのですが、今日取り上げる論文はこの運動に頭頂葉の働きが重要であることを示したものです。

この頭頂葉というのは脳に入ってきたいろいろな情報を取りまとめるようなポジションにあるのですが、この頭頂葉が運動に先立って運動イメージを作ることでスムーズに運動がスムーズにできるよう機能しているのではないかということが述べられています。

ポイント

近年の神経画像的知見によると、運動行動の心的表象においては実際に運動を行っている時と類似した大脳皮質の活動が見られることが報告されている。

本稿では頭頂葉に限局した脳損傷患者を対象にした実験から、様々な指の動きや指差しジェスチャーを行っている時の運動イメージを行わせると、その予測機能が障害されていることを示す。

またこの予測機能の障害は健常者のみならず一次運動野損傷の患者と比較しても低下していることを示し、これらの結果から頭頂葉は心的運動表象を作り出す上で重要な役割を果たしていることが考えられた。

参考URL: The mental representation of hand movements after parietal cortex damage.

補足コメント

テトリス的な課題って頭頂葉損傷患者にありなんだろうかとか

あるいはテトリスなんかやらなくても日常生活に関わるあれこれというのは脳に結構な負荷を与えて良いリハビリになるのかなとかそんなことを考えました。

 

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