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「エピソード記憶の回想と頭頂葉、デフォルトモードネットワーク:機能的および形態学的解析」

日本にはいろんな野球チームがありますがこの野球チームの強さを決めるものはいったい何でしょうか。

天才バッターでしょうか、それとも豪腕投手でしょうか。議論はいろいろあると思うのですが、守備の固さというものもチームの強さを語る上で大事な要素なのではないかと思います。

ではいったいこの守備の固さというのはどのへんで決まるのでしょうか。これはおそらく外野手、内野手、投手、捕手の連携が上手にしっかりとれているということでしょう。

脳の活動というのと時にチームプレイにたとえられますが、脳の中には果たして外野手や内野手に当たるような部分というのはあるのでしょうか。

今日取り上げる論文はこの脳のチームプレイについて検討したものです。

実験では記憶を元にしてアクションを起こすという課題、つまり記憶→アクションという流れの中で脳がどう活動するかについて調べたのですが

外野手→内野手→捕手

という送球の流れがあるように

記憶→X→アクション

というふうに脳の中にも内野手的なポジションがあることが示されています。

 

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【要旨】
デフォルトモードネットワークは単一のネットワークであり、内的な思考(エピソード記憶や他者の心の推察、自己評価)にともなって活動すると考えられている。今回の研究ではエピソード記憶の想起にともなってデフォルトモードネットワークの内外の領域がどのように活動するかについて調査を行った。結果、記憶の想起にともなってデフォルトモードネットワークの後部、とりわけ角回の活動増加が顕著であったが、デフォルトモードネットワーク外にも記憶の想起にともなって強く活動する領域が認められた。さらに記憶の想起に伴い海馬傍回の活動も増加しデフォルトモードネットワークの後部領域と同様の活動パターンを示した。これらの結果からデフォルトモードネットワークは記憶の想起に関わり、デフォルトモードネットワークに隣接する他の領域はその後の記憶に基づく意思決定に関わっていることが示された。またデフォルトモードネットワークでも前部領域は記憶の想起にともなって活動を増加させなかったことから前部と後部では記憶の想起に際して機能的に異なる役割を果たしていることが考えられた。

参考URL:Episodic memory retrieval, parietal cortex, and the default mode network: functional and topographic analyses.

コメント

数年前になるが以前住んでいた佐久軽井沢地方は100歳のおばあさんもはじめて体験するような大雪に見まわれ

交通が全部ストップ、スーパーにはものもなく一時は被災地のような状況を呈したのだけど

3日目くらいにどうにか道路をトラックが通れるようになった時、普段気にしない中間項的なトラックのありがたさが身にしみた。

それはともあれ以下に少し詳しいことを書くと

この内野手に当たるのは脳の中の角回と言われるところで

記憶領域→角回→プレ運動系→運動系というふうに情報を送球しているようです。

もし角回がなかったら外野手から直接ピッチャーやキャッチャーにボールを送るような感じで、やってできないことはないけどえらく非効率だし精度も落ちそうで

野球にしろ脳にしろ内野手的なポジションというのはきっと大事なんだろうと思いました。

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