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「話し言葉とジェスチャーの神経的相互作用ーメタファー的な話し言葉を交えたジェスチャーの異なる働き」

 

世界にはいろんな演劇がありますが、その中でも難解なものの一つに日本の能楽があるのではないかと思います。

私も一度だけ見たことがあるのですが確かにわかりづらく後半は別の意味で幽玄の世界に入っていたのですが、こういった能楽とは異なりオペラなんかは比較的わかりやすい。

なかでもイタリアオペラは大体のあらすじを読んでおけば何となく身振り手振り歌声のトーンで理解できるような気がするのですがこれはどういった違いでこんなことが起こるのでしょうか。

今日取り上げる論文はジェスチャーとことばを交えることで脳活動がどのように変わるのかを調べたものです。

結論を述べるとことばにジェスチャーを交えることで言語処理に関わる脳活動が強化され、このことでことばの理解がより容易になるのではないかということが述べられています。

 

ポイント

本研究の目的はジェスチャーを交えたスピーチを解釈している時に脳活動がどのように変化するかを明らかにすることである。

実験では1)ジェスチャーを交えた話し言葉を理解している時 2)ジェスチャーのみを見ている時 3)話し言葉だけを聞いている時 4)ロシア語のジェスチャーと話し言葉が同時になされているのを見聞きした時 の脳活動を比較検討した。

結果、ジェスチャーを交えた話し言葉を理解している時には中側頭回後部、運動前野、下前頭回、右上側頭溝に活動の増加が認められた。反対に活動の低下が認められたのは上側頭回と左後島皮質であり、ジェスチャーを交えた話し言葉で活動が増加する領域は古典的な左半球の言語処理領域であり、ジェスチャーを交えることで受け手の言語理解が促させることが考えられた。

参考URL :Neural interaction of speech and gesture: differential activations of metaphoric co-verbal gestures.

その昔、喫茶店のマスターになるのが夢でカフェの街ウィーンで一年を過ごしたことがあります。

もう20年近く前なのですが、当時は超一流のオペラが立ち見で200円で見れて今考えると実にいい思いをさせてもらえたと思います。

結局喫茶店のマスターにもならずドイツ語も殆ど忘れてしまったのだけれども

いろんな国やいろんな民族の人と話をして、国や人種が違っても同じ人間なので、そんなにはツボが違わないなというか

あたりまえだけど、楽しければ笑うし辛ければ泣く、大変な人がいれば親切にするし、いじわるもすれば仲良くもする、そんなことが分かったり

あるいは国や人によって正しいと言われるルールや振る舞いも様々で、自分が正しいと言われてきたことが国が変われば必ずしもそうでないのだなと思ったり

具体的な何かは残らなかったけど、物を考えたり人を理解したりというところではとてもよい財産になったと思います。

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