
「象徴的なジェスチャーと話された言葉は共通の神経システムによって処理される」
ヒトは色んな方法を使って気持ちを伝え合う生き物ですが、その方法に一つにジェスチャーというものがあります。
これは「おいでおいで」という手招きだったり、「シーッ」というような静かにしてという意味の動作だったりするのですがこういったジェスチャーを理解している時脳はどんなふうに働いているのでしょうか。
今日取り上げる論文はこのジェスチャーの理解に関わる脳活動について調べたものです。
結論を述べるとこのジェスチャーの理解に際しては言葉を理解するのと同じような活動が見られ、いままで言語処理に関わるとされていた脳の部分は言葉だけではなく記号的なものの処理全般に関わるのではないかということが述べられています。
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ポイント
・本研究では、ある意味を示すジェスチャーを見せた時と、そのジェスチャーの意味を言葉で聞かせた時の脳活動を測定し比較検討を行った。
・結果ジェスチャーと言語の理解に共通する領域が示された。具体的には下前頭領域と後部側頭葉のネットワークとして示され、さらには全体的には左脳優位であることが示された。
・こういったつながりは長らく言語システムとして知られてきたシルビウス裂周囲組織と同様のものであり、これらの領域は言語だけにとどまらず記号的な処理全般に関わることが考えられた。
参考URL :
Symbolic gestures and spoken language are processed by a common neural system.
コメント
これは図のように「いや!」という言葉が示す意味を理解する時と「いや!」という動作を理解するときには根っこの部分を探ると似たような活動が見られるということなのかなと思います。
脳卒中で時に言葉が使えなくなる症状が出てくることがあり、そんな患者さんはどこかジェスチャー的なやりとりも上手じゃなかったような印象があるのですが
ジェスチャーと言葉が共通のシステムで回っているのならそれもそうかなと思いました。