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「運動前野における動作の認識」

自分の子供はもうじき2歳になるのですが、誰に似たのか食い気が強く多少熱いものも多少辛いものも大人の食べるものだと何でもかんでも食べようとします。

そこで最近覚えたジェスチャーに「フーフー」というものがあり、「これ、フーフーしないと熱いよ」などというと「フーフー」と自分の息をお皿に吹きかけるのですが、はたしてこの「フーフー」というのは言葉として捉えてよいようななにかでしょうか、それとも言葉というよりはなんらかのアクションとして捉えるべきものでしょうか。

今日取り上げる論文はミラーニューロンシステムについて述べたものです。

ミラーニューロンシステムというのは端的に言えばモノマネシステムで、つまりは目に入った情報や耳に入った情報を運動システムに仕立て直すようなシステムです。

子供というのは見よう見まねで親のやることなす事を真似していきますが、こういったことができるような基盤としてこのミラーニューロンシステムがあると言われています。

このミラーニューロンシステムは単にモノマネをするだけでなく、脳内で仮想的にモノマネをすることで相手の意図を読み取るという働きがあるのですが、この論文によるとヒトの話し言葉というのも、そもそも相手の鳴き声をものまねするところから始まったと考えられないかというようなことが述べられています。

「おおっ」という驚きの声を真似ることで相手の驚きを知る。

「んまーい!」という相手の声を真似ることで相手が美味しいものを食べていることを知る。

こんなふうに音声言語というのはそもそも他人の鳴き声のモノマネから始まったのではないかということが述べられています。

それでいけばヒトの言葉というのも顔面口腔を用いたアクションなのかなあなどと思いました。

 

ポイント

今回二匹のマカクザルを対象に、F5領域にある532個の神経細胞の活動を測定した。

今回この領域において、ある特定の動作を見ている時も、それと同じ動作を行っている時も等しく活動する一群の神経細胞(”ミラーニューロン” n=92)があることが認められた。

これらのことからミラーニューロンは視覚情報と運動機能を照合させる役割があると考える。また、このミラーニューロンが動作理解に関わること、そしてこのサルのF5領域の相同部位がヒトにおいてのブローカ野であることから、この部位が動作の理解のみならず、音声による感情表現にも関わっているのではないかということを仮説的に検討する。

参考URL: Action recognition in the premotor cortex.

 

補足コメント

hoohooで検索したらやたらかっこいい音楽がひっかかってきた。

歌と言葉というのは人類の始原を考えるとほぼ同時期に発生した何かなんだろうかなどと妄想をしました。

 

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