
本当に神経細胞のつながりはスモールワールド性を持っているのか?
今日取り上げる論文は脳のスモールワールド性について麻酔を欠けたネコを対象に調べたものです。
スモールワールド性とはいわゆる「世間は狭い」ということで、噂が広まるのが早いように、莫大な量の神経細胞間の連絡もわずか数ステップでつながるようなそんなネットワーク構造を持つことです。
この手の研究の多くが機能的MRIなどを使って、間接的に脳の活動を調べていたのに対して、この研究では直接ニューロンから電極を取って調べたのが新しいのだと思います。
対象になったニューロンはたった24個なのですが、ある特別な特別な計算方法で計算するとスモールワールド的な性質があることが示されるそうです。
なおスケールフリーというのは極端な一極集中型のネットワーク構造のことです。
以下の図の左がスケールフリーで真ん中がスモールワールドなネットワークになっているので参考にしていただければと思います。
【要旨】
「スモールワールドネットワークは脳の情報処理を非常に効率的にできるものと考えられてきた。今回の実験では麻酔下のネコを対象に視覚情報処理のネットワークがどのようになっているのかを24の神経細胞に直接電極を当てて測定した。結果脳がスモールワールド的な性質をもっていることが考えられた。しかしスケールフリーではないことが考えられた。」