フォローする
【脳科学専門ネット図書館】会員募集〜ワンコインで世界中の脳科学文献を日本語要約〜

私達の脳はどのようにして知覚とアクションをつないでいるのか?

バレーボールにしてもボクシングにしてもフェイントというものがあります。

私達ニンゲンの身体は割と単純にできているところがあって、相手の動きを見るやいなや定型的な反応をしてしまうことがある。

相手がアタックしようとするとそれに合わせて自分もジャンプしたり、相手がジャブを繰りだそうとするとそれに合わせてガードをしてしまう。

つまり

刺激(相手のアタックモーション)

反応(相手に合わせたこちらのモーション)

というような流れがあると思うのですが、これはもう少し細かく見るとどういうふうに考えることができるでしょうか。

これはおそらく

刺激(相手のアタックモーション)

刺激の認知(相手がアタックモーションに入った)

反応の選定(打ち返す、ジャンプする、後ろに下がる、一息置いて様子を見る・・・の中から一つ反応を選ぶ)

選定した反応が本当にそれでいいのかチェック!

反応する!

というようなものなのではないかと思います。

今日取り上げる論文はこの一連の流れについて脳波を使って詳しく見たものです。

結論を述べると脳波の中でも刺激提示後300~400ミリ秒後に現れるものにP300と呼ばれるものがあります。

このP300の構成成分の一つであるP3bと呼ばれる脳波が

「選んだ反応が本当にそれでいいのかチェック!」

に当たる脳活動に対応するのではないかということが述べられています。

ポイント

事象関連電位の一つであるP3b要素については刺激に対する反応とは独立した神経活動を示すものであるという意見と、刺激に対する反応の選定に係るという意見の二つの見解がある。

もしP3bが刺激とそれに対する反応を仲介する働きをするのであれば(1)その振幅は刺激に同期したものと反応に同期したもので同程度のものであり、(2)その振幅は刺激に対する反応の速度とは独立したものであり、(3)その潜時は刺激に同期したものと反応に同期したものの反応速度によって異なるはずである。

本実験では上記の3点について検証を行い、これらの仮説が正しいことを示した。

この研究の結果からP3bは知覚処理とそれに対する反応準備をつなぐもので、刺激に対する反応が妥当なものかをモニタリングするような働きを反映していることが考えられた。

参考URL:

Evidence for an Integrative Role of P3b in Linking Reaction to Perception.

 

補足コメント

日常生活というのは考えているようで本当はあんまり考えてなく

脊髄反射までいかなくてもほとんど考えることなく流れてくる情報に条件反射的に対応しているところが多いと思う。

仕事の関係で瞑想について深く調べる機会があってそれをきっかけに毎朝瞑想する習慣がついたのだけれども

こころなしか自分の判断に一息置いてから動けるようになったような気がする。

刺激→反応の合間に「待てよ・・」という一息を置けるようになってから多少忙しくてもパニックにならなくなったし、勢いで仕事をしてしまってミスをするというのも多少は少なくなった。

こういうのは脳波で行けばP3b成分の変化というもので現されるのだろうか。

日常生活しんどいなという人にはわるくないかと思います。興味のある方はどうぞ。

https://www.huffingtonpost.jp/mindful-leadership-institute/mindfulness-program_b_5346280.html?fbclid=IwAR0Bnl-sxoXc7Jd54PVgwIe5D-0vUe56HTWcpuKgBoEDddCRjgBPJELIbVw

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします