視床が持つ主体性とは?
うまくいっているチームとうまくいっていないチームの違いとは何でしょうか。
欧米流のリーダーシップも大事だとは思うのですが、和を以って尊しとするこの国ではことの外二番手の役割が大事なのかなという気がします。
下の情報を上に上げ、上の情報を下に下ろす、それだけの役割ではない。
上の意見を聞きつつも、上も上手に動かす名補佐役、そんな人がいるチームというのは割合しなやかにうまく回っているよう気もします。
脳でいけばこういった名補佐役、重要な二番手というのはどこにあたるのでしょうか。
今日取り上げる論文は視床の役割について再考したものです。
視床は脳の真ん中あたりにある神経の中継基地、上に上がる情報も下に下る情報もその多くは一度はここを通るという情報経路のハブに当たるような場所です。
従来の考え方では、単に情報を上から下に、下から上に受け渡すだけのものと考えられてきたようですが、最近の研究だとそれだけでもないようです。
認知課題、注意課題をさせている時の視床の活動を調べてみると、その注意に応じて視床の活動が変化し、大脳皮質の活動の調整に関わっていることが示されるそうです。
こういったことから視床というのは従来考えられてきたような受動的なものではなく、ある程度の主体性を持って大脳皮質の活動に働きかけている器官ではないかということが述べられています。
【要旨】
「視床は伝統的に皮質に受動的に情報を伝達するだけのものとして考えられてきた。近年の研究により視覚系視床が知覚・認知課題によってその反応が調整されることが示されており、この伝統的な見方の見直しが迫られている。視床への入力調整は皮質性および皮質下性になされるが、それぞれ異なったフィードバック経路によってなされている。この経路によって外側膝状体と視床枕の活動の調整がなされ、認知課題に応じた皮質への情報伝達が可能になっていると考えられる。多くの研究結果から視床の活動の変化にともなって皮質の同調活動が変化することが報告されている。このようなことから視床は単に情報を伝達してるだけでなく視覚的注意に応じて皮質の活動の調整にも関わっていることが考えられる。」
参考URL:Gain control in the visual thalamus during perception and cognition.
コメント
視床というのはサッカーでいけばミッドフィールダーといわれるようなポジションなんだろうか
動ける二番手になりたいものです(T_T)
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